2023/10/20

10月20日はイーヴォ・ポゴレリッチの誕生日

今日、10月20日はイーヴォ・ポゴレリッチさんの誕生日です。
 
1980年ショパンコンクールでユーゴスラヴィアのポゴレリッチさんが第3次予選で落ちてしまったため、審査員のアルゲリッチさんが怒って審査を降りたのは大変有名です。
 
「あの子は天才よ!」
 
とアルゲリッチさんが憤慨して仰ったそうです。
 
第1次予選から圧倒的なテクニックと独特すぎる解釈、個性的なファッションで騒がれ聴衆から支持されていたポゴレリッチさん。
 
楽譜に忠実ではなかったため、多くの審査員に受け入れてもらえなかったようです。
 
 
審査員だった安川 加寿子先生は「弱く弾くはずのところで激しく鍵盤をたたいたり、早く演奏するところでゆっくり弾いたり、めちゃくちゃなようでいて表現力があり、天分を感じさせる不思議な演奏家」「ピアニストとして抜群の能力を認められながらもショパンコンクールという前提での弾き方や解釈から逸脱していたことは否めなかった」
 
と総括されたそうです。
 
 
 
私はポゴレリッチさんの演奏会に何度も足を運びました。
演奏会の度に度肝を抜かれたり、衝撃を受けたりしています。
だいたい6分のショパンのノクターンを13分かかったのは最初の衝撃でした。
しかしどの曲も本当に独特ですごい世界観で圧倒されました。
 
特に、一つひとつの音の深さ、響きが尋常でなく、特徴的で衝撃的で心を打ちます。とても憧れます。グウオーーーーーーーン、ズウーーーーーーーーーン、ギャアーーーーーーーンというふうに。
 
 
近年では2017年10月20日、ポゴレリッチさんの誕生日に東京、赤坂のサントリーホールで行われた演奏会が印象に残っています。
 
予定されたプログラムが終わったあと、ポゴレリッチさんがお辞儀をし終わったときに、招聘先のKAJIMOTOの職員の方の合図でサントリーホールの聴衆全員でハッピーバスデーを歌いました。
 
合図より1拍速く聴衆が歌ったのでKAJIMOTOの職員の方が当惑しながら指揮していました。
 
歌い終わった後はものすごい拍手でポゴレリッチさんも喜んでおられました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2020年2月16日、サントリーホールでの演奏会は横浜停泊した豪華客船ダイヤモンドプリンセス号でコロナ患者が発生したばかりで、世の中が不安な中の演奏会でした。必ずマスクをするようにと通達がありました。そんな中、行われた演奏会でしたが、最後のお得意のラヴェルの夜のガスパールが本当に素晴らしくていまだに忘れられません・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
そして今年、1月11日、サントリーホールでの演奏会はまだコロナ渦でしたが、だいぶ世の中が落ち着いてきた中の演奏会でした。お客さんが6割強くらいしか入ってませんでしたが、熱狂の渦でした。
 
 
 
 
 
 
 
この写真はアンコールが終わってお辞儀の時のもので、招聘先のKAJIMOTOの場内アナウンスで撮影許可されたものです
 
 
 
 
 
 
来年1月に来日されるのですが、残念ながら次回は行けそうにありません。