2024/12/11
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物凄かったエフゲーニ・キーシン ピアノ・リサイタルに行ってきました。 2024年12月10日、サントリーホール |
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物凄かったエフゲーニ・キーシン ピアノ・リサイタルに行ってきました。 2024年12月10日、サントリーホール ![]() 世界最高の歴史的偉大なピアニスト、エフゲーニ・キーシンさんの日本ツアー、5公演目、サントリーホールを聴きました。 言葉がありません。 素晴らしいとかそういうのでは表せない。 とにかく物凄かった!! しか言葉が見つかりません。 1曲目のベートーヴェンから、アンコールの最後のブラームスまで、イスをどっしり座り、足の指から頭まで神経が行き渡り、1音1音ピアノを静寂から大きな音まで美しく鳴らし鳴らし切り、1音1音すべてに口元が歌い発音し、呼吸し、時には唸り、1音1音顔のいたるところの表情筋も使い、1音1音すべてに意味を持たせて、1音1音に角度をつけ、1音1音を言語のように、フレーズごとの呼吸などとても深く歌い上げ、どっしりとした全く迷いのない確信を持ったタッチ、確固たる曲の解釈で、作曲家を通してキーシンさんの世界に、巨大な才能に圧倒されました。 ベートーヴェンソナタ27番1楽章では重くキッパリとした決然としたタッチ。難しい左の伴奏のパッセージも苦も無く鮮やかに、でも1音1音意味を持たせていました。 2楽章、思い出っぽい出だしと再現部が本当にあたたかい音でサントリーホールが包まれました。回想している質問と応答がとても優しくフレーズの語尾が丁寧に歌い上げていました。例に挙げると ラー♯ドーシー♯ファー♯ソー(質問) ラー♯ドーシー♯レーミー(応答) 中間部は決然としたタッチで対比が素晴らしかった。 2曲目のショパンノクターン14番、3曲目のショパン幻想曲は、キーシンさん15歳の初来日の1986年のときのプログラムとおなじ曲です。 初来日の神童キーシンくんは身体を時計回りに回転したり、反時計回りに回転したりして、流れのあるしなやかなノクターン、幻想曲でした。クライマックスでは身体を時計回りや反時計回りなど回転を利用してフレーズを膨らませて行き歌い上げ、決めるところはしっかり決め、素晴らしかったですが、 巨匠になったキーシンさんはショパンにしては少し重いと感じましたが、どっしりとした深いタッチで1音1音すべてに角度があり、1音1音すべてに意味を持たせて、1音1音すべて言語のように歌い、フレーズはこの世のものとは思えない素晴らしい放物線を描き、歌い上げていました。 決める音は大変強く、しかし物凄く深く、ストレートにピアノを美しく鳴らしきり、今までこれほどまでに深く、ドラマチックなショパンのノクターンや幻想曲を聴いたことがありません。 身体の回転は年とともに少なくなり、53歳の巨匠となったキーシンさんは殆どありませんが、時折見せるキーシン節と言ってよいかわかりませんが 、キーシン独特の歌いまわしには身体の回転を使い、本当に素晴らしくこの世のものとは思えない世界を作り上げます。 後半はブラームス ブラームスは聴かせるのが難しく飽きてしまうことが多いのですが、そんな心配は無用でとにかく素晴らしかった。キーシンさんから繰り出される深い音、響き、キーシンさん独特の歌い上げ、歌いまわしで飽きることはありませんでした。 最後はプロコフィエフ ソナタ2番 とにかくテクニック、メカニックが大変難しいのですがキーシンさんにかかればそんな心配は必要なく、とにかく圧倒されました。 途方もなく難しいパッセージを弾き切り、物凄い強音でピアノを鳴らし切るキーシンさんの身体全体は有機的に機能し、もちろん1音1音意味を持たせて角度があり、最後は爆発するようなフィニッシュでした。 サントリーホールの聴衆の皆さんは熱狂していました。 アンコールは3曲。弾く前にキーシンさん自ら日本語で ショパン マズルカ です! プロコフィエフ マーチ です!! ブラームス ワルツ です!!! と言ってくださり、サントリーホールの聴衆の皆さんは喜び拍手喝采でした。 演奏だけでなくキーシンさんのユーモアにも本当に感激していました。 アンコール3曲目が終わりキーシンさんのカーテンコール。聴衆の拍手喝采は続ききますが、最近は会場が明るくなり、終わりになりますが今回もそうでした。 ただとにかく物凄い演奏会。 あとキーシンさんの日本ツアーは14日の横浜みなとみらいホールのみになりました。 キーシンさん自身も今年最後の演奏会のようです。 今年最後を締めくくるさらに物凄い演奏会になることは間違いありません。 0時を過ぎてしまい、もうすぐ浦賀駅に到着しますが、帰りの電車の中で書いていますので、文章がめちゃくちゃだと思いますが、これはこれで良しとしたいと思います。 |
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